2022年10月
25 | octobre
雨の車窓
歔欷雨 200
「歔欷雨」が気になり検索してみる。
いつもならweb辞典が出てくるのに、関連サイトが出てこない。
どうやら存在しない言葉らしい。
今思えば「曲」を誤変換しただけの気もする。
このまま存在しないのは寂しいし、なにより漢字の並びが結構好み。
意味は——
「声を押し殺してすすり泣くような雨」
詩的で良い。
いつか「元からある言葉ですよ?」って顔して忍ばせよう。
車窓には夕立ち前の黒い雲と小雨。
止んだ歔欷雨がまたふりだす。
à bientôt…… #25
24 | octobre
きゅん
一番「キュン」とする瞬間って何だろう。
高架下の急降下は「チンさむ」あるいは「タマヒュン」だし、急なボディタッチはパーソナルスペースの違いからくる不快感だし、ジンジャーエールを気管支で飲んだ胸の苦しさは溺れているだけ。
好きな人に「会いたい」って言われたら、かなりグッとくる。
でもラムかな。
生ぬるくて、まとわりつくように甘くて、舌が痺れる。
味噌汁みたくすすれば、胸がときめく。
翌朝も胸焼けでキュンとした。
à bientôt…… #24
23 | octobre
アルゴリズム 手に持った画像に変更
落語家の三遊亭円楽さんが亡くなった。
TVでは彼を偲んで笑点の傑作選が放送された。
2年前、元サッカー選手ロナウジーニョが偽造パスポートで逮捕された。
YouTubeは現役時代のスーパープレー集で埋まった。
à bientôt…… #23
22 | octobre
辞令 200
朝、部長に呼び出された。
「来週から生産応援が決定しましたので、それまでに業務を引継してください」
期間は半年。
オフィスワークから高寿に入ってのライン作業。
通勤距離は3倍。
残業も夜勤もある。
でも、私の頭はあの子のことでいっぱいいっぱい。
「どう時間を工夫して取り組めるか、今から楽しみです」
「頼もしいね、社員の鏡だ」
そこまで言われたら、意地でもお店に通わないと。
ぎゅっ
部長とかたい握手を交わした。
à bientôt…… #22
21 | octobre
黒芒(くろすすき) 100
著名人はどんな最期の言葉を発したかが後世に語り継がれるけれど、周りからどんな最期の言葉をかけられたかの方がその人を表していませんか。
「おばかさん」
愛情を押し通した先で、最愛の人に言われて看取られたい。
à bientôt…… #21
20 | octobre
好きな色 300
雑談中に船を漕いだ。
「ザ・ピンクって感じだね」
「え〜そうですかあ? 周りの男はピンクが一番似合うって言うけど、むしろピンクがあたしを好きみたいな?」
ああそう。
「てかむつさんて、ほんと紫好きだよね〜」
「よくわかるね」
「いつも見てるからわかりますよ〜、そういえば——」
紫好きはいつからだろうか。
そういえば、学生の頃もらった手編みのミサンガは白と紫だった。
「紫をつけてるあなたが一番かっこいいよ」
「…ぇ。ねぇ、聞いてる!?」
「ん、ああ」
「どうしたの?」
「……なんでもないよ」
「でね、こないだ名古屋駅でナンパしてきた男のLINEがほんと失礼で——」
窓に反射する私のまぬけヅラ。
街行く人の残像が足早に見えた。
à bientôt…… #20
19 | octobre
逆ナン 200
公園でブログを書く。
レジャーシートを広げ一人で作業していたら、ハイキング中の老夫婦に声をかけられた。
「おひとり?」
「はい、そうです」
「素敵な休日ね」
「ありがとうございます」
「うちの娘なんて家でNETFLIXばかり観ていて——(中略)お邪魔したわね、楽しんで」
「ありがとうございます」
声をかけられるのは苦手。話しこんでしまうし、断れない。
あと、還暦を超えた方々にすごくモテる。
à bientôt…… #19
18 | octobre
書くことに迷ったら 200
「どんな風につけてもいい。何も書くことがなかったら、その日に買ったものと 天気だけでもいい。面白かったことやしたことがあったら書けばいい(略)」
百合子さんは夫・武田泰淳さんにこう言われて『富士日記』を書き始めた。
毎日面白おかしく書こうとすると、次第に重荷になって続かない。ボツばかりになったりする。
感情を言葉で表現しているけど、私はここに。
ただ生きているだけ。
à bientôt…… #18
17 | octobre
サビ残すれば運命の人と出逢う 200
風が吹けば桶屋が儲かる。
一見、繋がりのないところに因果関係があることを示す言葉。
接待もサビ残の内と考え、コロナにかこつけて断っていました。
ですが、見える世界が狭いとよくないと思い2022年は誘われたら二つ返事でOKすること。
渋々接待に行って、かれんちゃんが隣について、本指名のために再訪した時の待ち時間で行きつけのバーが出来て、誘われたカクテルパーティにいって、パラグアイのラムを飲んだ。
残業って楽しい。
à bientôt…… #17
16 | octobre
キャンプイベント3日目 400
2日目の雲海チャレンジ。
昨日よりもイマイチ。けれど、相変わらず最高の朝でした。
絵本を書く、こたろーくんと意気投合。
報われない終わり方の作品が好きって話を延々しました。たくさん聞いてくれてありがとう。
カヌーにも初挑戦。
寒い川にドボンする男二人組。バカしているのをバカだなあと傍観しながら、どこか羨ましがっている私。
でもやっぱり、濡れたくない。
その後、庭文庫さんへ。
本が読めるカフェなのですが、「毎回、みんな疲れて寝ちゃうんだよねー」って聞いて、「いやいやw」って30分後に爆睡してました。
恋愛でもなんでも自分で体験するまでは、結局信じられないものです。
夕立。外に置き忘れたブーツが水浸しでへこむ。
洗面台に一人ドライヤーで靴底を乾かす。
高校のしわくちゃだったローファーを思い出してよりへこむ。
帰り道、人と関わった後は普段の数段寂しさを覚える。
雷鳴と雨が降りしきる中、二輪に跨り体を震わせて、家路についた。
à bientôt…… #16
15 | octobre
キャンプイベント2日目 400
「すぐそこで雲海が見れるよ」
冷え切った体で歩き出す。
頂上まで500mの看板。「すぐそこ」に騙されて、ブーツで登山して靴擦れしました。
だけど、朝から運動して、いい景色で、手で挽いたコーヒー片手で、みんなで語らって。
これを朝と言うのかもしれません。
「今日は岩行くよ〜」
先端がカチカチのトレッキングシューズ、分厚いマット。直角の絶壁。一人ずつひび割れにつま先を添えて、登っていきます。
早々に足を捻ったけど、岩に人生を捧げる人の気持ち、少しはわかりました。
帰り際、夕焼けのすすき野原。
見覚えのある三河ナンバーのバイク。唐突な再会。
夜ご飯作り。キッチンには、おぼつかない手つきの3人。
お節介していたら、あだ名が料理長になってました。20人前のカレー。それなりになってよかった。
焚き火を囲んで得意の刃傷沙汰話。するとある子と目が合った。
「私も実はーー」
そこから徹夜で語らった。
ひなこちゃん、今度は温かいところで。
à bientôt…… #15
14 | octobre
キャンプイベント初日 400
「岐阜県民の方は無料で抗原検査が受けられます」の張り紙。
費用を払えば検査できるのかと立ち寄ったら、愛知県民はダメでした。
広島のゲストハウスでルームメイトになり、御手洗で仲を深めた凱くんに誘われ、キャンプイベントへ。
月曜は仕事なので土日のみ参加、の予定がご厚意で前日入りのスタッフさんに混ぜてもらい金曜の夜から参加してきました。
夜は3人用サイズのテントで寝るのですが、10月上旬、山道を20分上った所にあるキャンプ場、あるのは薄い寝袋2つだけ。
「前日入りだし、他の人の分かもなあ」
厚着して寝袋1個で寝ました。
朝4時。
夢で川を渡りかけて目覚めました。あとちょっとで……。
朝餉の時、スタッフさんに「朝寒さやばいですねって」話したら、
「いやあ、寒すぎたから寝袋1個追加して冬用シュラフ3つで寝たんだよね、むつくんは大丈夫だった?」って、、、
「大丈夫じゃねぇよ! 死にかけたわ!」
つい、タメ口きいてしまいました。
à bientôt…… #14
13 | octobre
集合体
どの私が「ほんもの」かと考えてみるけど、何者かなんて簡単には定義できない。
淀んだ空気の職場でデスクワークして、栄の路上で週末参加するイベントの電話をして、パルコで香水のリトマス紙嗅いで、バーのカウンターで初対面のお姉さん二人組と恋バナを語らって、高級クラブでグラスの水滴何度も拭いてもらって、タクシーでもう思い出せない政治と経済の話して、自宅のベッドに倒れ込む。
今ここにいるのが私。もう、それでいい。
à bientôt…… #13
12 | octobre
名刺交換
高級クラブに行った時の話。
夜のお店で名刺はいらなくないですか?
昔観た「さんま御殿」か何かの再現VTR。
「仕事で遅くなった」と言う旦那のジャケットから女の子の名刺が出てきて、険悪ムードに。イメージが悪い。
かれんちゃんが名刺を取り出した時も「テレビで見たやつ!」ってどこか小道具扱い。
ところが翌日、会いたいなあと思っても、店名・ビル名・場所、全く思い出せません。
この世に存在するもの全てに意味があります。
à bientôt…… #12
11 | octobre
表紙
こうして日々日記をUPしておりますが、毎日続けるのは何事も大変ですね。
大半が200字なので楽に見えますが、毎回のサムネ撮影も骨が折れます。
過去に日記を挫折しましたが、いい写真が撮れなくて……でした。
なので「日錄」の表紙+サムネがない日のために、フォトショで表紙作ってみました。いかがでしょうか。
内容も大切ですが、「腕立て伏せも1回から」って聞きます。
戯言ばかりですが、お付き合いいただけると幸いです。
à bientôt…… #11
10 | octobre
健康診断
健康診断の前日くらい健康でいたい!
むつです。
採血のとき、たくさん注文をつけます。貧血なので横たわって、血管が浮き出ないので左腕で、できればベテラン看護師さん希望です。
SUICAで改札を通るように”ピッ”って採れたら……
ここ数年、体調を崩しやすくなりました。ストレスからくる食生活の乱れと、運動不足と。それでも、前日くらい——
さて、今日の晩ご飯は四日市とんてきです。
とても、おいしかったです(小並感)。
à bientôt…… #10
9 | octobre
たくましい人たち
朝晩、冷えますね。
生地の少ないドレスで見送るホステスさん、笑顔がたくましい。
「男は女で成長して、女は恋して変身する」ってヘルプの子に話したら、
「それ同じじゃないんですか?」
歩行者の飛び出しみたいな会話のブレーキ。
「あー、確かに同じかも」
完全降伏。応援団ばりの白旗振り。情けない。
後日、三姫にこの話をしたら一言。
「別に合ってなくてよくない? 自信満々に話せばそれっぽくなるって」
やっぱり女性はたくましい。
à bientôt…… #9
8 | octobre
文章に毒を盛る
文筆していると「果たしてこれは面白いのか」と不安になる。
で、この面白さってなんでしょう。
TVに映る女子会と銘打った悪口スレスレのトーク番組。あれは毒を盛ってる。死んだらダメ、でも痺れるくらいの毒。罵詈雑言が笑えるってすごい。
てことは面白さとは少量の毒なんじゃないか——
そんな期待も込め、キャバ嬢になりきりエッセイを書きます。
題して『架空性悪キャバ嬢のぶろぐ。』
毎週土曜更新です。よろしくお願いします。
▼週刊エッセイ『架空性悪キャバ嬢のぶろぐ』はこちらから
関連:https://xxxmutsu.blog/syouwaru_karen/
à bientôt…… #8
7 | octobre
恥ずかしい文章
故武田百合子著『日日雑記』を再読する。
着眼点、言い回し、洗練された文章に手も足も出ない。けれど彼女は、遺した日記、原稿、メモ、手帖は「私の死後、焼却して欲しい」と遺言を残し、娘の手によってすべて処分された。
百合子さんの言葉はズルさや欲望をさらけ出した、自身との対話の結晶。本人にとっては黒歴史そのもの。
あーあ。もっとイタくて恥ずかしくて身悶えする文章、書きてぇなあ。
マゾヒスト? はて、何のことですか?
à bientôt…… #7
6 | octobre
推しごと
過去「みく」さんとご縁が多くて、名前が同じだけで勝手に運命感じてます。
「余計なことまでやりましょう」のみくさん回は必ず聞いてます。振り切った一発ギャグとか特に推せます。
ハマったのは——ひなあいの電流から。
いつか写真集出るでしょうけど、もし家にアイドルの写真集あったら、恋人としては嫌じゃないですか、でも好きを貫くことも大切だから、、、揺らぎますね。
ま、恋人いないんですけどね。
金村美玖を推すしかない✋
▼『ラジオ、余計なことまでやりましょう』はこちらから
関連:ベルク presents 日向坂46の余計な事までやりましょう
p.s.
2022年12月20日に1st写真集『羅針盤』が発売されました。もちろん購入しました。
à bientôt…… #6
5 | octobre
相手の立場に立って
旅先でよく聞かれるのが「名古屋って何がある?」
この間は困って「逆に富山って何がある?」って聞いたら、二人して黙り込んじゃいました。富山民からしたら名古屋民は自分より名古屋に詳しいわけで。けれど、近所の観光名所にはなかなか行きません。金時計で待ち合わせはしても写真は撮らない。
ただ改めて見回すと案外いいところもありますね。名古屋とか飯すぐ食べられます。
あんかけより〜、ふつうに〜、ナポリタンが好っきぃ〜
à bientôt…… #5
4 | octobre
恋しい季節
人肌恋しい季節。空から美少女が降って来る気がして、たまに道端で空を見上げて身構えています。
どーも、むつです。
先日、高校時代の友人TとYとその彼女の4人でスプラ3をしました。
ゲームして、グループ通話で状況報告して、Tが調子のいいことを言えば悪態をつき、彼女が落ち込むそぶりを見せたらすかさずフォローして。
Yの姿をみて、ちょっと落ち込んで、ちょっと元気をもらいました。
まだまだ恋人ができる日は遠そうです。
à bientôt…… #4
3 | octobre
リコリコ
リコリコ最終回でした〜
ぎゅぎゅっと詰め込まれた13話。製作陣の方、お疲れ様でした。
世間では「#リコリコロス」の方が幻の14話を観ているようです、ウケます。
13話ラストシーン——
千束「何しようか、これから」
たきな「諦めてた事から始めてみたらどうですか」
千束「いいね、それ」
最終話の喪失感にそっと添えるような素敵なやりとり。
これから燃え尽き症候群に見舞われた時のために、お守りのように握りしめておきます。
à bientôt…… #3
2 | octobre
しょせん
私がお客、先方が営業。
今回で3社目。いつも居酒屋行くだけなので二つ返事でOK。もつ鍋食べて帰り支度をしていると、先方さんが「2軒目行きましょう」そのあとゴニョゴニョ。
気づけばそこは錦3丁目、ドンキの向こう側。隣にはバッチリヘアセットしたワインレッドのドレスに身を包むお姉さん。
初めての夜のお店は居心地悪くて……
仕事より緊張する名刺交換、じっと見つめてくれるけど、どこか不自然、お酒を注ぐ手は震え「お願いしまーす」と叫んでも黒服さんが来ない。聞くと、初めての夜職で入店1週間の新人ホステスさんだった。
そこから2人のベテランさんとお話。なぜか名乗られなかった。
そうそう、かれんさん。今度は本指名しますね。
à bientôt…… #2
1 | octobre
ビジネスメール風味で
関係各位
いつもお世話になっております。
私、相沢睦と申します。
本日よりブログを再開いたします。
お忙しいところ大変恐縮ではございますが、
目を通していただけると幸甚です。
今後とも、よろしくお願いいたします。
à bientôt…… #1