ポケモンが好きだ。
むつとポケモン
冒頭から言うからには、さぞポケモンが好きで、全シリーズ冒険しているに違いない、と思われるかもしれないが、そんなことはない。
最後にポケモンをプレイしたのはサファイアのリメイク版。ワインレッドの3DSだったかな。今から5年も前の話。
20歳。そろそろ大人にならなくちゃ。大人は自分の好きよりも仕事(誰かのため)を優先する、それがあるべき姿。本気で思っていたし、憧れていた。だから、大好きなアニメもゲームも自ら避けた。そんなの時間のムダとか、他にやることたくさんあるとか。いつしか世の母親よりも自分に厳しくしていた。
22歳。普通のサラリーマンになった。会社の付き合いでゲームはするし、話を合わすために流行っているアニメは観ていたけれど、もうそこに好きの感情はなかった。青春も思い出も画面の中に残してきたような、大切な何かを失ったような、そんな気分がした。
25歳。いつしか検索窓に「やりたいことの見つけ方」を入力するようになっていた。本当は最初からやりたいことあったのに。
だから、一度固定概念とか世間の声とか抜きにして、好きをとことんやろうと決意するに至った。
改めて、好きが何か思い出そうとする。けれど、何も浮んでこない。たった5年の間にアニメやゲームへの想いをすっかり忘れてしまっていた。
「やりたいことの見つけ方」を何かあるごとに、思い出すたびに検索し、日々悶々としていた時、YouTubeのある動画が目に留まった。それは以前から登録している「まれに暇なOL_なっちゃん」さんの、この動画だった。
ああ、そうだ。ポケモンが好きだったんだ。
大人が夢中になるポケモンがこんなにも魅力的だなんて知らなかった。こうして、20歳の頃の私の考えは粉々に打ち砕かれた。
気づいた時には、会社からの帰り道にあるゲオで中古のラベルが貼られた「ポケットモンスターソード」をカゴに入れレジの前に並んでいた。
そういえば。
何かにワクワクするなんて感情、いつ振りだろう。
むつとポケモン
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