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嫁にしたいくらい愛着のあるポケモンを「嫁ポケ」と言うらしい。私の嫁ポケはエルフーンと云うことになる。
出逢い
エルフーンの初出はブラック・ホワイト(以下BW)。
見かけの可愛さもさることながら、いたずらごころで補助技の、みがわり、コットンガード、やどりぎのたねが打てる害悪ポケモンとして一時期名を馳せた。攻撃技を使わずに勝つ戦法だったため、試合時間が長くなり、数多のプレイヤーを苛立たせ、試合中に電源を切る、回線切りを多く巻き起こしたポケモン。
エルフーンを対策していないパーティはなす術がないと云う独特の強さに惹かれ、BWのレーティングモード(今のレートバトル)で愛用していた。
思い出
実家にいた頃住んでいた岐阜県から、かなり遠く離れた場所に父方の実家があった。
夏休みになると毎年、決まった時期に必ず帰省していた。
父には兄弟が多く親戚がたくさんいたのだが、その中でもいとこで少し年上のお兄さんは特別な存在だった。とにかく優しくて面倒見が良くて、毎年ではなかったが会える時はいつも楽しみにしていた。
お兄さんはとにかく小さい頃からポケモンが大好きで「フライゴン」が嫁ポケだった。
覚えている限りではBWの頃から色違いのフライゴンを持っていたし対戦でもフライゴンを使っていた。そんなお兄さんはポケモン対戦が強かった。当時のレーティングは1550が中央値くらいだった? と思うけれど、1900を超えることもあって、私の憧れの人だった。
一方私はとても弱くて、真剣に取り組んでいたもののレーティングは1300後半から1400前半が平均値。とてもじゃないけれど、ポケモンをガチでやっているなんて言えなかった。
そんな中、BWで一度対戦する機会があった。私が中学生か高校生かくらいでお兄さんは確か大学生だったと思う。
お兄さんは初心者のいとこと大好きなポケモン対戦ができることを喜んでくれて、ノリノリで対戦してくれた。
そんなお兄さんに私は……エルフーンのハメ技のようなもので一方的にボコボコにしてしまった。当時、強いお兄さんに勝てると微塵も思っていなかったからめちゃくちゃ喜んだが、今思うとおぞましい。
初心者だと思っていたいとこが一方的なハメ技を仕掛けるなんて、印象が悪いにも程がある。
その後、めちゃくちゃ悔しがっていたお兄さんと続けて2戦、しっかり対策されて連敗した。1対2で負け越したのは悔しかったが、少しほっとしたのも覚えている。
あの日、勝ったのはまぐれのようなものだったし、いい勝ち方ではなかった。だけれど、エルフーンのことがとても大好きになった。
その後、お兄さんとは対戦した、と思う。でも、あまり覚えていない。きっと大敗したから覚えていないのだろう。
エルフーンがと云うよりは、都合の悪いことお覚えていない私の性格に、難があったのかもしれない。
父方の両親はもう80後半で、体調もすぐれない様子。それでも親戚が集まると、もてなさなきゃと張り切ってしまうから、数年前から気遣って父親だけが帰省するようになった。そうしてお兄さんとは疎遠になっていった。
今もお兄さんはフライゴンを使っているのだろうか。
いつかまた、おにいさんとポケモン対戦できるといいな。
エルフーンで。
嫁ポケ
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